クリエイターズ・インタビュー
トップ > このページ
開発者インタビュー

究極を超える究極のオーガンジーを目指して、
日々、現場主義で新しい商品を開発中

サンコロナ小田株式会社 衣料本部 企画室  表野 匡晃

鮮度が大事。それが企画室です

約2年半前にサンコロナ小田に入社。最初の3ヶ月は北陸の現場で研修を行い、その後、1年間、営業を経験した後、2007年から企画室で働くようになりました。
主な仕事としては、営業からあがってきたお客様の声をカタチにすること。それと、全41品番、1001色が揃うオーガンジーの総合ブック帳『ヌーベルマリエ』の鮮度を落とさないために、新しい色を足したり、反対に時代に合わなくなった色を消すなど、色の見直しを重点的に行っています。

海外とのつながり、そこから学ぶこと

企画室の専属になってから、スペインやイタリア、フランスなど、海外へ行く機会も増えました。名目上、商品の展示会やお客様へのプレゼンテーションなどですが、それ以上に現地のお客様と直接向き合い、話していく中ででてきた様々なご要望をきいたり、相手の表情や空気感など、その場にいた者だけが得ることのできるイメージを日本に持ち帰り、新商品としてカタチにする目的も、かなり大きなウエイトを占めています。
また、同じ時に行っても、イタリアでは光沢のあるシャイニーなもの、スペインではまったく逆に光沢のないマットなものが求められていたりして、実際、現地に行って初めて知ることがたくさんあります。それを感じて、国ごと、お客様ごとに、より細分化したモノづくりをしようと目標をたてています。
また、海外のトレンドをイチ早くキャッチすることは、国内の商品づくりにも生かされています。

オーガンジーの本場へ、メイドインジャパンの新しい風

もともとオーガンジーの本場はヨーロッパです。
イタリアはウエディングドレスなどブライダルが中心で、スペインではブライダルに加え、子供たちが教会に行く時に着飾るフォーマルドレスにオーガンジーが使われています。素材はシルクがメインでしたが、そこに新しい風を吹き込んだのが、メイドインジャパンの技術力や品質の高さを誇るポリエステルを使ったオーガンジーです。
ポリエステルの1番の良さは再現性で、1回デリバリーした商品を半年後、まったく同じ状態で確実にご用意できます。シルクは天然素材なので、鮮度ムラやフシ、光沢など、その時々で品質にムラがあり、まったく同じものというのは困難です。
自社製品については色の豊富さやシルクに匹敵する光沢はもちろん、強度など品質に関しても絶対的な自信をもっていますので、1度使ってもらえれば、大丈夫と常に確信を持って、プレゼンテーションを行っています。

開発のために、あくまでも現場主義を進んで実行

普段、あらゆる所に開発のヒントは転がっていますし、片時もそのことは頭から離れませんが、特によく行く場所は機屋さんです。大阪から北陸まで週1回、もう半年ぐらいは通い続けています。
そこでの会話や知識のある方に開いていただく勉強会は、織物の基礎を知る点でとても役に立っています。
あとは、オーガンジーに限らず、多種多様な素材に触れることを心掛けています。職業病と言うか、ショッピングに行っても、ずっと親指と人差し指で生地を触って回りますね。レディースでもそう。ちょっと、変質者みたいですよね(笑)。
スカートの裾を2本の指で摺り合わせながら、これは"ごまるひゃく"かなとか、デニールや組織を探ったり、本当に気持ち悪いぐらい、ずっと指を動かしています。それで、いい風合いに巡り会うと、感覚で覚えて帰り、分繊糸と組み合わせたらどうなるかなど、商品開発のヒントにします。
あと直接、素肌に触れるインナーの風合いなどもすごくヒントになるのですが、それはさすがに行きにくいので奥の手を、この先は内緒です(笑)。

常に先を目指して、今取り組んでいる課題

特にブライダルでは、ボリュームをだすデザインに効果的な"形状保持"の生地がずっと売れ続けています。この生地の特長は例えば1回、ぎゅっと手で握った形を保持しても、撫でるとまた元の平らな状態に戻る点で、縫製がしやすいというメリットもあります。
いまはまだ先染めの商品しかないので、色のバリエーションをスムーズにだしていくためにも、これをいかに後染めで作るかという課題に取り組んでいます。
また、僕自身、服飾の学校をでていることもあり、最近、先輩の結婚式用にオーガンジーでウエディングドレスを作ったのですが、その時、施したプリーツ加工がすごく素敵に仕上がって。生地を知っているからこそ、ああいう加工が出来たのかなとも思いますし、生地の特性を理解することはデザイン上、すごく大切なこともわかりました。
そこから、商品の良さをどうお客様に伝え、どのポイントを説明すれば役に立つのだろう?使いやすいのだろう?と改めて考えるきっかけができました。

究極を超える究極を作り出す!それが今後の野望

2440これは本当に究極の夢なのですが今、国内70%シェアの大半を占め、世界的に見ても一番メジャーなオーガンジーが"にまるよんまる"(品番2440)と呼ばれているものです。
この"にまるよんまる"は、縦が20デニール、横が40デニールの一番ベーシックなものなのですが、薄さやハリ、どれをとってもベストバランスで、まさにNO.1のオーガンジーです。これを超えるオーガンジーを作りたいですね。
作り手として、それを生み出さないことには先へ進めないとも思っています。といっても究極ですから、今のところ秘策はまったくないです(笑)。
これまでももちろん、先輩方がありとあらゆる方向から開発を試み、試作品番はたぶん1000を軽く超えていると思います。思いつく手はすべて尽くした、その上でまったく新しい考え方やアプローチをしていかなければいけないことは容易ではありません。
でも現状に満足してしまったらアンテナは働かないと思いますし、あえて夢は大きく、究極を超える究極のオーガンジーを目指します。

Profile
服飾学校のクリエイター科を卒業。家業である建築会社を手伝いながら、友人などの依頼を受けて、カジュアルな子供服やウエディングドレスなどを制作。その後、もともとテキスタイルが好きで興味があったこともあり、(株)サンコロナ小田に入社。